単色日記

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声の優れた俳優によるドラマリーディング 日本文学名作選第二弾「三四郎/門」見てきた

大久保瑠美さんの朗読ということで参加.とても良かったので感想を書く.次も是非参加したい.
配役は次の通り.

  • 11月30日 夜公演

- 野島健児 : 三四郎 (三四郎),安井 (門)
- 加藤英美里 : 美禰子 (三四郎),小六 (門)
- 古川慎 : 宗助 (門),野々宮,広田 (三四郎)
- 大久保瑠美 : 御米 (門),よし子,三四郎の母 (三四郎)

  • 12月1日 昼公演

- 岸尾だいすけ : 三四郎 (三四郎),安井 (門)
- 石川由依 : 美禰子 (三四郎),小六 (門)
- 濱野大輝 : 宗助 (門),野々宮,広田 (三四郎)
- 大久保瑠美 : 御米 (門),よし子,三四郎の母 (三四郎)

朗読劇というものにあまり縁がなかったので非常に新鮮だった.感想を箇条書きにしていく.

  • 三四郎を読んだのは4年ほど前,門はキャスト発表後に読んだ
    • 縁があり,円覚寺にも久しぶりに行った
    • いつ行っても人が少なく静かでいい
  • 長いがどうするのだろう,そもそもどういう形式なのだろうと何も知らずに行ったところ,大胆に編集されていた
    • 「三四郎」では佐々木の下りがほぼカットされている
    • 「門」では金の工面の細かい話がカットされている,なので家や屏風を売った下り,小六を引き取る下りが若干分かりにくい
    • 円覚寺の部分がほぼカットされているので,ラストシーンに対する印象が変わるように思う
      • 原作の宗助の適当さ,不甲斐なさ,頼りなさ,なあなあで済ませる意志薄弱さがあまり感じられなかった
  • 初日開幕早々「三四郎」が列車のパートから始まったので,これは加藤英美里さんによる (同じ布団で寝たのに手を出さなかった三四郎に対する)「あなたはよっぽど度胸のないかたですね」を聞くことができるぞ,ということで非常に楽しくなった
  • 初日は左より,二日目は中央の席であったが,例えばラスト近くの「門」について言及するあたりの演出 (舞台中央に門を催した白い光が指す) が初日には見ることができなかった
  • 「門」にて,御米と出会ってからの話を二人が交互に読むシーン,赤いライトとくるくると回る影という演出がある
    • これは「それから」のラストでの「仕舞には世の中が真赤になった。そうして、代助の頭を中心としてくるりくるりとほのおの息を吹いて回転した」だろうかと思った
    • 第一弾「それから」を見た知人によると同じ演出があったらしい
  • 「三四郎」の美禰子について
    • 読んだ印象は「快活」「生意気」「手の届かない」だったので,加藤英美里さんの演技がイメージにぴったりとあっていた
      • こちらから何を言っても相手にされないけれど,向こうから何か言われると全て従いたくなるという感じが良かった
      • 振り回されたい
      • 加藤英美里さんが演じると「意図的に男に好意を見せ,それを意識しながらもそこまで取り合わない美禰子」が出てきた
    • 一方,石川由依さんによる美禰子は,もう少しおしとやかである
      • こちらは正反対で,「どうにか手を伸ばせば届くんじゃないか」という印象を受ける
      • 自分が振りまく好意に対して (相対的に) 自覚的ではない
      • そのくせ,加藤英美里さんより色気を感じる
      • 縁談が決まる流れは (わかっていたとしても) ショックを受けてしまう
  • 「三四郎」組は白,「門」組は黒で統一した衣装

特に大久保瑠美さんについて

  • 三四郎
    • 三四郎の母役,二日目はより老婆に寄せていた印象を受ける
    • よし子は美禰子に近い属性だと思っていたので良かった,もう少し声が聞きたかった
    • 御米,読んだ時はもっと病弱で覇気がない印象を受けていたので第一声を聞いた時の色気や,「近」の字を宙に書いて示す姿に驚いた
    • 子どもができないことを告げるあたりから途端に劇の雲行きが怪しくなっていくのを感じる
    • はじめての出会いから「やがて三人は,揃って京都へと帰った」からの男女が畳み掛けるように交互に読み上げる部分は息が詰まった
      • 知ってはいても緊張してくる
      • 二度目も緊張していた
      • なぜか「御米は意思が弱く宗助の押しに負けたのだろう」という思い込みを原作から受けていたので,このパートを聞くことでようやく,宗助が安井から捨てただけでなく,御米も安井を捨てたのだ,ということが理解できた
      • そう考えると,そのような女性を大久保瑠美さんが色気を含ませて演じておられるのは本当に素晴らしいですね
    • 序盤は目が笑っていたが後半になるにつれ憂いを帯びていく感じが良かった
      • 初日はA列左手,まさに大久保さんの正面の席だった.正面の席でそれも前の方となるといつもまともに顔を見ることができない
      • 二日目は中央右よりだったので比較的見ることができてよかった
  • その他
    • 上下黒の衣装で登場された瞬間「喪服だ」と思ってしまった
      • あんなに鎖骨を出した喪服があるか
      • しかし鎖骨が良かった
    • 前日のニコ生では眼球を休めるために眼鏡をかけておられましたが大丈夫だったのだろうか
    • 舞台上の椅子の前に一人だけ小さな足置き台があったのが良かった
    • パンフレットの写真が新しい宣材写真になっていた